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本日パウラの堅信(けんしん)式でありました。
堅信式は洗礼式を誕生日とすると成人式に相当します。よっておめでたいことでありますが、終始パウラは伊藤○と誰かを足して2で割ったようなイケメン神父に見とれておりました←←←
カトリックの(ジャネットちゃんちもやるっちゃやりますが)女性は、ベールを被る人がいます。別に義務じゃないしはっきり言って邪魔臭いので、パウラはこういう大きな式で被るんですが…。
………。
………………。
ズレる…!!
おめでたい席に何人もの人が駆けつけます。暑いです。扇風機かけます。ズレるんです。
そういえば大司教さまもズレてたな…キャップが(正式名称忘れた)
記念品にマリアのピンバッチ貰いました。むむ…。宗教臭いから日常ではつけられませんなあ。 -
しとしとと小雨が降る緩やかな夜のことだった。職務を終わらせ、夜の祈りも終わり、さあ眠ろうとした所へ、来客があった。こんな時間に来客なんて、と考えるより前に、客人の正体を見抜き、すぐに寝床から抜ける。
「親父さま」
「…よう、コニー」
「随分と夜遅くに、どうかした?」
「父親が息子の寝顔を見ようと思ったらいけないか?」
「少なくともおれは、人に寝顔を見られるのは好きじゃない」
「じゃあ帰る」
「いやいや、どうぞお入りください」
サンキュー、と、ずかずかと父は部屋の中に入った。特に手土産があるわけではない。本当に寝顔を見に来ただけだったのだろうか。窓辺に立ち、此方に向き直る。入り口でぼんやりとその様子を見ていると、眠らないのか、と、父が訪ねてきた。
「………」
後ろ手に扉を閉め、静かに窓辺の父に歩み寄る。窓の向こうから差す月の光が、異教の女神の眼差しが、静かに心をかき乱す。
「勘違いしてしまう」
「何が?」
「おれが、貴方の初子(ういご)なのではないかと」
神の栄光を受け継ぎ、この世を救い給うた救世主を述べ伝える、聖なる普遍の教会(カトリック)。
東と西で分かたれて、理解も空しいままについ先日、お互いがお互いを悪魔だと断罪した。今更それを悔いることはない。悔いる必要もない。
それでも、貴方が双子の兄を選んだのだと言うのなら、それに抗議することはできない。
「お前こそ、何か勘違いしていないか?」
「え…」
顔を挟む優しい父の掌からは、過去、地べたに這い蹲(つくば)り、握りしめた砂粒の臭いがする。神を慕う民の命を護る代償の重さを、誰よりも図りたかったのは、きっと目の前にいる偉大な先人なのだろう。
「お前もお前の兄も、この父の大切な息子…。どちらが優性などという差はない」
西に住んでいるのか、東に住んでいるのか、その程度の違いしか、俺にはない。
額と額を合わせ、父の顔が見えなくなる。
「夜遅くにすまなかったな。ゆっくり眠りなさい」
す、と父が身体を引いた。そのまま踵を返して帰ろうとする父の袖を掴み、突き飛ばすように床に押し倒し、のしかかった。
「親父さま、おれを疑ったりはしないの」
「どうして疑う必要がある?」
「兄上様みたいに、欲に塗れて権力を使役し、初代教会(あなた)を蹂躙するとは思わないの」
「思わないよ」
「このまま、おれが貴方を辱めるとも?」
「思わない」
「おれが、悪魔に囁かれているとも?」
「思わない」
「………」
何だか無性に腹が立った。少し癪ではあったけれど、ぐ、と唐突に父に口づけてみる。まだ妻を持たない身では拙いものだけれども、ショックは十分だと思う。実際、短い時間はとても長くて、父は仰天していた。だが何も言わず、父は黙って此方を見上げている。乞うような眼でも、媚びるような眼でもなく、本質を見抜くような、恐ろしい眼だ。
「何も言わないの?」
「言う必要はないだろ」
「おれ、今、罪を犯したんだよ」
「そうしたら俺はお前を赦す」
「もう一度キスしようか?」
「その時はまた、お前を赦す」
「何回まで赦してくれるの」
「お前が犯した罪の七倍は赦せる自信があるよ。…俺は父親だからな」
「………」
愛される喜びを知っている人は、愛する喜びも知っている。
無限に赦される喜びを知っている人は、無限に赦す喜びも知っている。
そしてこの人は、苦しむ歓びも知っている。
「…親父さま」
「不安なら傍で寝てやるぞ」
この状況で言うなよ、と、どこかで誰かが嘲笑った。
「………。うん」
「じゃ、まくらを持ってくるから」
「おれの使って」
「………。手がしびれる前に、眠ってくれよ?」
「努力するよ、アヴァ」
もう、異形の女神はいない。
END
腐女子として、月光+寝室+床は欠かせない。寝室なのにベッドを使わない。それが正義(もう駄目だこの子)
あー、ちなみにディティモってのは双子とか二面性とかそんな意味です。時代は大シスマ(東西大分裂)の後くらい。アヴァってヘブライ語で『パパ』って意味です。7回っていうのは完全数です。どこまでも赦せって意味です。聖書のどっかにありました。ちなみにパウラは出来ません。心が狭いので3度たりとも出来ません。 -
残暑まだまだ厳しいこのごろ、ぐでぇん、と打ち上げられた藻のように伸びきった身体を、もう一度うぅんと伸ばす。
ごろりとひっくり返り、何気なく時計を見る。もう夜の9時だ。しかしまだ仕事が残っている。手紙でよこされた弟の、妹(父は否定しているが、もう面倒なので受け入れようと密かに思っている)に対する不満の返事も書かなくてはいけない。
「全く、どこのどいつだ、坊主丸儲けなんて言いやがったの」
朝から晩まで、刑務所に行って少年院行って病院行って(※1)…。別にそれが苦労ではないし、寧ろそれが喜びですらがあるのだが(そんなこと死んでも言ってやらない)
先ずは手紙から始めよう。元々この手紙を真っ先にやろうと、急ぎの用件はさっさと済ませておいた。ベッドの上で身を起こしたところで、アメージンググレイスの着信音が鳴った。自分の携帯の着信音だ。番号をみて、少し眉をひそめる。
「はい、矢追(やおい)カトリック教会主任司祭(※2)でございます」
『こんばんわ、兄上様』
「何か用?」
『何かって…。兄上様から言い出したことじゃないか』
「は?」
『今日の日付を見てごらんよ。ピザンチン典礼にならおうって言ったのは兄上様の方だ』
「日付け…?」
くい、とカレンダーに視線を向ける。今日は九月八日。
…………………。
あ。
「…コニー」
『はい』
「今どこにいる?」
『おれはこんなに大切な記念日を忘れる司祭の神経が分からないよ』
「………あと10分待て」
『追加のデザートを頼んでおくからね』
「おう、ついでにオレ用のワインも頼むよ」
『アーメン』
やっちまったなぁ、と俺は舌をぺろりと出し、バッグと帽子をひったくり、早々と司祭館(※3)を後にする。
コニー―――俺の双子の弟のコンスタンティンが、今はるばるコンスタンティノーブル総主教庁(※4)から俺の家の近くに来ている。エキュメニカル運動の一環というわけではないのだが、兄弟離れ離れで喧嘩しっぱなしで育った間柄だ。たまに気を使うようにこうして顔を合わせて、出来るだけ和睦を深めようと努めてはいる。元々時を同じくして生まれた双子。政治家に引き裂かれた仲とはいえ、俺たちとて不毛に争うつもりはないのだ。
大急ぎで待ち合わせのバーにつくと、すぐにコニーは見つかった。テーブルの上には二人分のワイングラスと、ナフキンだけ乗っかった皿が一枚。どうやら追加のデザートはないらしい。席に着くと、すぐにワインボトルが持ってこられた。
「全く、相変わらずだね、兄上様」
「そう嫌味を言うなよ。西方教会(おれたち)にも色々あってだな」
「はいはい、今日くらいはそんなこと言わなくたっていいじゃないか」
先ずは乾杯を、と、コニーがグラスを傾ける。俺もワイングラスを掲げて、引きつっているかもしれない微笑みを浮かべた。
「我らが聖なる主の母の、生誕に乾杯」
END
(※1 刑務所行って…)
慰問のこと。哲学者は何かと忙しい。
(※2 主任司祭)
その教会で一番偉い神父さま。助祭とか一応いろいろ種類があるが、昨今司祭不足の為か(パウラは)あまり見かけない。
(※3 司祭館)
カトリック教会の司祭は教会の敷地内にある司祭用の家に住みこんでいる。アパートみたいだったり、お洒落なロジックハウスみたいだったり、タイプは様々。
(※4 コンスタンティノーブル総主教庁)
ここでは東方教会総本山。
コンスタンティンの愛称は本当ならコースチャ(ロシア人名)なのですが、コニーの方が可愛くって好きです。
コニーのキャラが実はうまくつかめていないんですが、どちらかというとひねくれ者って感じ。でもそれは兄上様(勿論皮肉)の前だけで、他の人の前だと性格はローマンと殆ど一緒。
あとどうでもいいですけどコニーは二次元信者。だってイコンは二次元←一遍殴られて来い
パウラは知識でしか東方教会を知らないんですが、宗派の別れ方は相当複雑だとか…。コニーさんも苦労してます。