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いくそす。~2.5次元で萌と賛美を叫ぶ~

聖書二次創作・キリスト教教派擬人化BL専門サークル「いくそす。」のHP。 腐ったクリスチャン略して腐リスチャンが、腐教(布教ではない)の為に日夜東奔西走するだけの簡単な活動をしています。ここでは主に擬人化BLを置きます。 療養のため各地にはかつき(骨林頭足人)が行ってくれてます。本のご感想はゲストブックか、巻末のメッセージのコードからお願いします。

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ルビーのストラ(5)
やっと本番になったと思ったらまさかのプチSMだお!
歴史上の人物×初代さん








 何をされたのか分からなかった。下半身を丸ごと引きちぎられるかのような痛みと、頭が弾けそうな明滅。エリクが満足そうにオレの背中に手を回し、きつく抱き上げ肌と肌を重ねる。どちらのものかわからないが、凄まじい勢いで早鐘が鳴る。首は縛られていないのに苦しい。
 ああそうか、オレは犯されたのか、と、思うや否や、無意識に舌を噛み千切ろうとした。だがその前に、指輪を嵌めた親指が口に入ってくる。オレが力を込めたら、傷つき弱り果てたローマンの師との繋がりを絶ったら―――そうなると口に力は入れられなかった。

「あ、あっあ、あああっ! や、オレ、は―――ひきゅぅぅっ!」
「おや、随分と可愛らしい」

 オレの両足を脇に抱え、腹に溜まった強い圧迫感がそのまま出ていく。口に挟まれた人質を噛み千切れたらどれだけ楽だろう。噛み締める事も出来ず、拘束された手と涙の溢れる瞼に力を込めて、芋虫か何かのようにずるずると逃げようとする。
 嫌だ。
 嫌だ。
 絶対に嫌だ!

「う、あお、う………う、ぅ、くふぅっ」

 ごぽ、と、喉がなる。窒息しないように顔を背けると、殉教者の血のような真っ赤な吐瀉物が溢れた。エリクは物珍しそうに眺め、染み込んだ血を少し舐めた。あまりにおぞましい行為に身の毛が弥立つ。

「ワインの血、ですか。なるほど、お父上のお体は本当に信仰のみで作られているらしい…。…貴方の下半身までワインでなくて良かった。興が削がれますからな」

 ぞろり、と、オレの体液で汚れた舌が頬を撫でる。もう感情を堪えることなど出来ない。虚勢はもう張れない。つ、と、眦(まなじり)から涙が伝っていった。砂漠のオアシスのように、エリクがそれにも舌を伸ばし、口の中で転がす。こいつはなんだって、何が楽しくてこんなことをしているんだ? 理解出来ないと混乱するのを手伝うように、腹の中が熱く苦しくなってくる。

「うぉあ…あう、う…っ」

 止めろ止めろ、と、首を振ったがどうしても強く触れない。もう体力がない。声を封じることも出来ない。
 慰みもの。
 正しくオレはそうだった。嘗て神の加護なく散っていった無名の女たちも、こんな体験をしたのだろうか。

「あ…あああっ、はぁ、ん…っふ、んっ、くうぅぅん…っ」

 腹を押し上げられる度に、意味のない音が喉を通りすぎていく。ただ息が通るだけなのに、堪えようのない苦しさに声帯が悲鳴をあげていた。それなのに悔しいことに、膝が震え出す。あの香の所為だ。オレがこいつを受け入れたからじゃない。下腹に力を込め、エリクの動きに合わせて襲い来る波に堪える。絶対に屈する訳にはいかない。こんな、オレが大切に育て守ってきた子どもたちを蹂躙した、こんな男になど媚びる訳にはいかない。決して、断じて、屈する訳にはいかないのだ!

「可愛らしく締め付けてくれていますが…もしかして、射精を我慢しているだけなのでしょうか?」
「うぁ…」

 声が、出ない。睨み付けようにも眉が、動かない 。人形になった気分だった。視界が霞むのは涙の所為だろうか。エリクが何かを取り出す。月の光にキラリと光ったそれは、長い針のように見えた。そいつで俺の体を突き刺すつもりか? それにしては頼りないような…。
 蕩けた頭で考えていると、垂直に聳えた塔の中心に突き刺さった。あまりの痛みに、色気もへったくれもない悲鳴をあげる。逃げようにも、恐怖で脚は縫い付けられ、両手は頭の後ろだ。オレは思わず叫んだ。

「ひっ! 痛い痛い! 出来ない出来ない、や―――あ、あああっ、あっ、ああーっ! 痛い! 痛いィ! や、や、あっ! がふっ」

 懇願の言葉を吐きそうになり、慌てて頭を振る。それでも悲鳴は止まらなかった。ゆっくり、しかし確実にオレの体内に、しかも通常から考えれば出す以外に役に立たない場所に「入る」という恐怖。オレにはあまりに未知のことで、自分の唾液に溺れそうになった。針はオレの内部をするすると滑り込み、オレが自覚する限りの最奥すらも通り越す。恐怖で脚の力が抜けた。身を捩ると体の中で砕けてしまいそうで、腕にも腹にも力が入らない。腹を圧迫する権力を押し出そうにも、針があまりに恐ろしくて震えも起こらない。気を失ったら、我を忘れたら、幾万というオレを慕って死んでいった奴等や先生たち、何より息子たちに顔が立たない。どんなに辛くても、止めて、だとか、許して、だとか、そんなことは言っては―――。

「ひいいっ! な、な、ああっ、なに、いた、痛い!」

 突然、全身に電撃が走った。犯されたり、それによって突き上げられた時とは全く別の、体の末端までの血という血が弾けるような…何とも言い難い。何故ならその一瞬、思考が吹き飛んでしまったからだ。針が上下に動き、それと同時にオレの意識も上下する。思考が吹き飛んだ時、オレは何をして、何を言ったのだろうか。目の前の獣はコロッセオの中のライオンのようにオレを嬲り、オレが絶叫する場所を何度も針で突いた。いつのまにかまとわりつく紐は役目を終え、力なく絡まってるだけになったが、それ以上に苦しい、というより、痛い。

「『やめてください、国王陛下』と言えば、止めても宜しいですよ」

 涙と唾液に溺れるオレの頭を持ち上げ、悪魔が囁く。それは今までのどんな誘惑よりも強いものだった。だが皮肉にも、「国王陛下」という言葉が、オレの真の王を思い出させる。もう祈りの言葉も見つからない。涙と唾液と、それから針を押し退けていく液体に溺れながら、それでも指輪の力を頼ろうとして、思い出した。
 そうだ、指輪は穢されたんだった。

「いた、あ、あああっ! え、いたい、いっ、うう、ひくっ、う、えええ…え、り…」

 ズクズクとオレの中を行き来する針に怯え喘ぎながら、オレは確かにそう言った。エリクはそれを聞き取り、耳を寄せる。

「はあ、はあ、う、ぐ、んエ、エリっ…あ、はぁあ、うああ、
いた…い、エリ…!」
「もう少し」

 もしそのまま、「エリク」と言って媚びてしまえば、悍しい酒池肉林は終わるだろう。だがオレはそれを拒んだ。

「エリ……っはっ、はっ、あア、エリ…はつ、る…ハツール…うあア、…ああ…いたいぃっ!」

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