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いくそす。~2.5次元で萌と賛美を叫ぶ~

聖書二次創作・キリスト教教派擬人化BL専門サークル「いくそす。」のHP。 腐ったクリスチャン略して腐リスチャンが、腐教(布教ではない)の為に日夜東奔西走するだけの簡単な活動をしています。ここでは主に擬人化BLを置きます。 療養のため各地にはかつき(骨林頭足人)が行ってくれてます。本のご感想はゲストブックか、巻末のメッセージのコードからお願いします。

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ルビーのストラ(3)
この先R18です。歴史上の人物×初代さん


 エリクは、どんな傷でもたちどころに回復してしまい、オレがオレの意思に反して、死なない身だと分かると、シーツを破いて首をギリギリにまで締め上げ、呼吸不全のオレに無理矢理キスしてきた。否、こんなものがキスなものか。正直辛い。拷問の経験も強姦の経験もあったが、キスは初めてだ。迫害する対象にキスなんてしないからだ。愛情表現や懺悔の為にキスをされたことは数えきれないくらいあるが、何故無理矢理犯している相手にキスをするのか分からない。おまけに苦しい。

「ふふ…。既に歴史に身を潜めた貴方が、今国王の下でもがき喘いでいる…。このような体験は歴代エリク王とて叶わなかったでしょう」
「こ、の…! ぶ、れい、も、のが…!」
「流石です。このような状況でまだそのような言葉が言えるその高潔さ。それでこそお父上です」
 そういってエリクは指でオレの口を抉じ開け、咥内を荒らして来た。エリクが意図的に出しているのだろうか。唾液に混じり独特の音がする。首の圧迫と予測できない空気の流れに、段々と意識が遠のいていく。空気を求めて喘ぐ度に、喉が鳴る。苦しい。この男に中途半端な信仰があれば、オレはそこから逃げられない。そんなオレ達の特殊な事情はさておいて、エリクはカズラを取り去り、アルバだけにして、オレの下半身を弄った。オレは空気を取り込むのに必死で、それどころじゃない。勿論反応もしてない…んだけど。

「ひっ…!?」
「そうか、貴方の時代にこのようなものはありませんからね。漸く私だけの貴方が見られそうです」
「き、さ、まな、に………う、く、ん…っ」

 体の中に何か得体のしれない、夜露より冷たく馬の涎よりドロリとした何かが突っ込まれる。蜜を煮詰めたような胸焼けしそうな甘い匂いが、下腹部から鼻を突き抜け、流石に激しく動揺した。本能的に、これは不味いと嫌悪感と危機感で、体が強ばる。体が震える。自分を制御出来ない。どうにか落ち着こうと、狭められた気道を無理矢理広げ、息を整えようとしたが、逆に体から力が抜けて冷たくなっていく。普通の人間なら死んでいるんじゃないか。オレの存在理由を知りながらこんなことが出来るなんて信じられない。

「人間は生命の危機に晒されると性欲が強まると申しますが、お父上も同じようでよかった。この香は最高級のものですからね」
「か、かんちが、い、する、な、ぁあっ…だれ、が―――はっ、…はっ、………ん…っひくっ」

 呼吸が益々苦しくなる。目の前が光り、既に人としてのオレは限界を超えていた。だからといって、この男に命乞いなど、絶対にするものか!

「人と神との橋渡しである人間は何度か食べたことがありますが、信仰そのものである貴方は如何様な味がするか、長く楽しませて頂きたく」
「な………! この、へ、へんた…! ど、こ、…っがはっ」

 腰に巻かれたチングルムを解き、それを巻き付けて縛る。チングルムの表面の凹凸が擦れて痛い。人の形をとっている以上、人の機能と同じものをオレも持っている。咳き込みながら蹴りつけようとしたが、勢いは情けないほど弱く、逆に足首を取られ、ぐっと縦に開脚させられた。更に腹を圧迫され、もうまともに息も出来ない。冷や汗が、人としてのオレの体が既に死にかけていることを告げる。

「流石ですね。どこまでも私の期待に応えてくれる…。信仰の力とはかくも素晴らしい」
「きさ、ま………ッ!」
「まさか、罪人を貴方が裁くなんてことは出来ませんよね? 誰よりも罪人を知る貴方が」

 身体中が軋み、この上もない汚辱に何とか報いてやらんともがく。だがすぐにやめた。エリクが悦んでいるし、何より動けるほど空気が足りなかった。オレが無抵抗という抵抗を始めたと理解したエリクは、首の拘束を解く。と、同時に突然体の中に入ってきた何か丸いものに、思わず高い声が上がる。

「はあ…っはあ…っあああっ……かは、や、やめろ、きもち、わる…っ冷たい…っごほっ、がほっ……うえ、え、ええっ…」
「この程度で泣いてしまうなんて、貴方の気にかけるような場末の娼婦にも蔑まれてしまいますよ」
「だまれ…。だまれっ!」
「高貴なお方だ。「あの人」はそのような言葉を言ったことはなかった」

 その時、体を覆っていた嫌悪や悲鳴や苦痛が、すぅーっと消えていった。体の中は異物でぐちゃぐちゃになっているのに、キンキンに冴えた頭が、蕩けた耳で聞いた言葉を反芻する。
 「あの人」だって?
 スウェーデン国王ともなれば妾など数多いるだろうし、女同士の醜い争いを高みの見物するために、行為の最中に他の女を引き合いに出すだろうことは想像できる。
 だがそんな女とオレを比べる必要はない。生きる世界が違うからだ。第一、国王が妾を敬う訳がない。
 オレと同じ世界に生きて、オレと比べるに値し、オレと同等の存在意義を持つ者…。

 ローマンか、コニーしかいない。

「きさま…っ! まさか、まさか…っあ、ぐっ、んん……っ」
「ここまでされて、乞いもせず、他人の事を思いやれるとは、流石ですね。模範すべき隣人愛、とでもいいましょうか。…いえ、唯の子煩悩ですかな?」
「だまれ…だまれ!」
「最後は少し大きいですが、切れても問題ないでしょう、貴方なら」

 腹の中がごろりと音を立て、オレは思わず顔を背けた。激しい吐き気と同時に、キツく圧迫された横隔膜が押し上げられたことで、息苦しさの質が変化する。多分、普通の人間なら内蔵がちぎられているだろうに、目の前の君主は昆虫を分解するかのように楽しんでいる。この男は、オレが生娘のように泣きすがりやめてくれと叫ぶのを待っているのだろう。

「くく………ふ、ふふ…くっ」
「どうしましたかな?」
「はぁ…はぁ…くくっ、かん、違いして、る、ぞ…スウェ、エデン、………く、お…」
「?」
「たしか、に、…はぁ…くるし、くて、も……はぁ、あ…っオ、レに、は…あっは…なんに、ん、もの、…ふぅ、はぁ、じゅ、きょ、しゃ………―――いぎっ! んあっ! んあうんんんんぅ…っ!」

 言葉の途中で、異物が一気に引き抜かれる。一瞬、本当に気をやってしまうかと思った。ビクッと体が大きく反り上がり、何かがエリクの期待に応えたのを感じる。悔しいが、涙など見せてやらない。

「素晴らしい。普通なら引きずり出されてしまうのに…。普遍(カトリック)をなのる者の為せる業でしょうか?」

 カァッと頭に血が昇る。オレの血ではない。殉教者達の血だ。土踏まずでエリクの頬を横薙ぎにする。初めてエリクに敵意を持って抗った。想定外のオレの動きに、エリクの嗜虐心に本格的に火がついたようだった。
 それでもオレは屈しない自信があった。

 エリクが、あんな行動をするとは思わなかったから。

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