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いくそす。~2.5次元で萌と賛美を叫ぶ~

聖書二次創作・キリスト教教派擬人化BL専門サークル「いくそす。」のHP。 腐ったクリスチャン略して腐リスチャンが、腐教(布教ではない)の為に日夜東奔西走するだけの簡単な活動をしています。ここでは主に擬人化BLを置きます。 療養のため各地にはかつき(骨林頭足人)が行ってくれてます。本のご感想はゲストブックか、巻末のメッセージのコードからお願いします。

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我が愛しき鐡の鷲5
楽しかった。モブレ好きです。
何度でも言うけど、私はカトリック信者です。だから批判が出来るんです。


 元々動かなかった体の上に、なぜだかベルトで拘束されている。右の手足首と、左の手足首が乱雑に降ろされたズボンの裾から覗き、きつく縛られて擦れて痛い。ただそんなものを意識していたのは、噛み付く程の力もなくて、頭を掴まれ喉奥を犯される苦しさの方に気を向かせないようにした。

「へえ、結構頑張るね。もう慣れたのかな」
「んぐっ!」

 そんなわけあるか、と、慌てて気を戻す。その途端、後頭部を握る指先が強くなり、ごつんと鼻先と奴の股の骨がぶつかった。

「ははっ! 安心しなよ、信心深い輩なら狩り尽くした。ゆっくり楽しもうじゃないか。アンタを嘗てこっ酷くフッた女のディックに犯されるなんて、中々ない体験だと思うけど? マチズモ文化を持ってかえってもらって、このドイツに生まれるあたしの弟を産んでくれよ!」
「んぐ、うぅ!」

 物理の壁に押し返されることのない俺が、何故かここから動けないということは、この空間に俺が存在することを受け入れる人間がいるからだ。それなのに体が動かないのは、この空間では俺を否定する意思が強いからだ。
 味方はいるはずだが、この場を打開するだけの力は持ってないということだ。だが流石の俺も、口腔を蹂躙され白く汚された自分を遠巻きに見るのが精一杯で、周囲に誰がいるかまで観察できる余裕がなかった。

「う…あ…あっ」

 口の中に広がる空虚な臭いが鼻に抜けていく。何か言わなくては、何か、何か…。それだけが俺の頭を支配する。何を言うべきかは決まってない。視点が合わず、視界の端がホロスコープのようになってぐるぐる回る。

「なあ、おい、お前。そこのお前だよ、おい」
「な、何ですか?」
「お前、たってる?」
「はあ、まあ、扱いてくれれば」
「ふーん。じゃあ、ちょっと突っ込んでみてよ。こいつが人間を呑むとどうなるか、見てみたいんだ」

 え、と、動かないはずの身体が強ばる。男どもは男どもで、いいないいなとはやしたてているが、そんなことはどうでもいい。てっきり目の前の女(女…?)の相手だけすればいいとだけ思っていた。その時になって、漸く有象無象が何人いるかに気が向く。ブレにブレた視界の中に、少なくとも6人。人影にもしかしたらもっと隠れているかもしれない。最後の1人の相手が終わっても、最初の男はもう一度立ち直っているかもしれない。
 ぞわっと全身が逆だった。

「や…だ…。やめ、ろ…くるな…くるな!」

 恐怖で身体が縮む。立ち上がれない。後ずさりすら出来ない。先程まで俺の口を蹂躙していたやつは、身を整えてニマニマと俺を見下ろしながら、脚を組んでいる。

「嫌がってるのに突っ込むのは、趣味じゃない」
「お優しいこってな」
「なら、雌落ちさせりゃいいだろ。―おら、兄ちゃん、こっち来い!」
「やだ、やだ、触るな、いやだ!!」

 抵抗虚しく、群れの中に引きずり込まれ、俺の首根を掴んだ男が、じろじろと俺の体を舐め回す。

「ふーん。あんまり俺たちと変わったところはねえな。ちょっと傷痕が残ってるくらいだ」
「そっちより、コッチだろ」

 別の男が、トランクスのゴムに指を引っ掛け、膝まで一気にずり下ろす。珍しい物でも見るように(実際と教会以外で会うことなんて確かに珍しいが)、目を丸くして俺の局部を見詰める。人と同じように形作られたなら、そこだって人と同じように出来てるのだが。いたたまれなくて体を曲げて隠すと、強かに殴られた。頭が揺れて、体の力が抜ける。
 ダメだ、抵抗しなきゃ。

「どう思う、こいつ。処女かな」
「童貞ではなさそうだよな」
「いいや、処女じゃないよ。なんせ先生が百代以上変わってるんだから!」
「そうだな、どこまで行っても男は男だ。こんな色白の男がいたら、1発勝負でもその気になるわな」
「そいつが処女かどうかなんてどうでもいいよ。とりあえず挿れさせろ、もう爆発しそうだ」

 音を耳で拾い上げているうちに、話がまとまってしまったらしい。額に手をかざされ、そのまま押し倒されて後頭部を強打する。びりびりと身体に電流が走って、爪先まで痺れる。なんだか男の顔がやけに近いな、と思った瞬間、ビキッと筋肉の裂ける音がした。

「あ、あ゛あ゛あ゛! 痛い! 痛いィ!」
「騒ぐんなら下の口で騒げ!」
「う…えっ、えぐ…」

 気持ち悪い。
 気持ち悪い、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
 裂けた隙間を、男のものが容赦なく削る。痛みもそうだが、それより全身を揺り動かすような動きに酔った。

「ゃじ…っ、あ、ああァあ、あ゛ー! う、ぁう、んんッぐ、ぉゃ…あンン!」
「あんまり声出すと、辛いぞ。腹に力入れて声我慢しろ」

 声色が嗤う。歯が鳴いて、息が蒸気機関車か何かのように熱を持って入り乱れる。言うことを聞かなければ、聞かなければ、もっと苦しい。押し詰められた腹とは裏腹に、虚ろでぽっかりと空いたような頭で、言われた通りに腹に力を込める。頭の血管が罅割れるような音がした。

「いい子だ、坊主。そのまま、腹に力入れて、力んでろよ」
「くァ…っあアッ、あっ、はぁ、んん、んぅう…っ」

 引きつった臓腑が引きずり出されては、押し込められる。その内に、腹以外に力が入らなくなってきて、汗やらなんやらがたらたらと流れ出すだけになる。よく自分を観察すると、泣いていたようだし、涎も流れていたし、信じられないそれは下の涎も同じだった。それに気づくと、腹の裏がズクズクと泡立って沸騰した。抉るように内臓が、手足が細かく震え、俺はケダモノのように吼えた。自分が引き裂かれた、その悲鳴を上げた。

「うぉ、うわ、すげ…っ」
「おい、早く代われよ、遅漏!」
「待ってろ、今全部飲ませてるから」
「あ゛…ァ゛…ッ、ァァー、あー……」

 声が止まらない。呼吸が苦しくて、声を出さないと呼吸しているかどうかがわからないのだ。
 吹きこぼした中身は飛び散って、虚無の眠りが茫漠とした口を拡げ、俺の堕ちるのを待っていた。―――はずだった。

「ふぁ…!? や、やぁ、も、むり、むり、むりだ!」
「冗談じゃねえ、1人の相手に律儀にイッてたら世界がもう1つ出来ちまう。俺がイって、そっちの奴がイッたらイけよ。それまでにイこうとしたら、そんな気吹っ飛ばしてやるからな」

 先程蒸発した血液と空気が、まだ戻っていない。カラカラの大地に川が流れないように、川が流れるためには地面が潤っていなければならない。俺の喉はべっとりとまとわりついてこそいたが、決して潤いがあるわけではなかった。寧ろ犬より早い呼吸で、カラカラだ。

「みず…っ、みず、のませて、く、し…きもちわる…」
「水なら目の前にタンパク質の塊があるだろ。それで足らせろ。そら、ひっくり返って四つん這いになれ!」

 肩を持ち上げられ、顔の目の前に床が飛び込んでくる。否、顔が突っ伏したのだろう。とにかく言うことを聞かなければ、と、言われた通りに手をついて膝を着く。後ろの様子が分からず、目の前は毛むくじゃらで、とてつもない恐怖に、再び身体が湧き立ち始める。

「そう逃げるなよ。口の方がやりやすいのかもしれねえが、こっちはこっちで自由にやるから、前の奴はお前のやり方でやれよ」
「や、りかた…?」
「あるだろ、テンプル騎士団とヤッてた辺りの記憶を掘ってみやがれ」
「ジャックは―――あ、ふわ、ああっ!」

 ぽたり。音が聞こえた。
 フランス国王に、同性への獣欲を疑われ、身ぐるみを剥がされ、燃え落ちる寸前まで歌を歌っていたあの人が、信徒の巡礼を護る使命に命を捧げたあの人が、当時の先生を買収され、冤罪の炎の中で呪うことしか出来なかったあの人が、優しく穏やかであった頃の笑顔が、胸に迫ってきた。
 ジャック、ジャック。アンタを犯した獣欲の罪がこれか。
 ジャック、ジャック。教皇と国王に見捨てられ世界から取り残され、どこにも行けなかった地獄がこれか。
 ジャック、ジャック。嗚呼、ジャック!
 あの時先生の傍に経っていた報いなのか。そうだとしたら俺が助けを、救いを求めるのは間違いだと剣をとるか。

 だがお前なら知ってるだろう、ジャック・ド・モレー、最後の騎士よ!

 如何なる時も神に救いを求めるのもまた、人也と!

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